10月31日から冬時間へと切り替わります。
寒い季節が始まりますが、夜が長くなると共に観測できる時間も格段に増えるわけです。
今月は1985年に発見されたハートレー彗星が地球に接近します。28日前になると急激に光度が上がり、約5-4等迄明るくなるのが予想されています。東の空で高度もさほど低くないので、双眼鏡で観望して下さい。
宵の空には西に傾いた夏の三角形を構成すること座(ベガ)、白鳥座(デネブ)、わし座(アルタイル)等の夏の星座が空を占領していますが、すっかり暗くなる頃には秋の四辺形(ペガスス座)、カシオペア座も天頂付近迄昇ります。アンドロメダ大星雲(M31)も見ごろです。北斗七星はひしゃくを上に向けて北の空低く寝そべっています。高緯度で見る大熊座は一年中地平線の下に沈みません。低い南の空には秋の星座で唯一の一等星(フォーマルハウト)を持つみなみのうお座が見えます。東にはペルセウス座が高く上り、低い空にはぎょしゃ座のカペラが目立つようになります。このカペラも一年中地平線下に沈みません。夜半過ぎにはプレアデス星団、ヒアデス星団を抱えるおうし座に続いて双子座やオリオン座等の賑やかな冬の星座が昇ってきます。これらの星団は双眼鏡で十分観望出来ます。
今月の惑星は、一晩中観望見えている木星を除いて明るい惑星は殆ど太陽の側に居て、観望は日没直後のみに限られます。
今年の初めから太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら。
10月の天気
10月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
3日 水星の内合 11日19時 金星が月に接近、火星も同伴(南西、高度15度、間隔3度)**必見** 19日0時 木星と天王星が接近(南、高度40度、間隔0.8度)**必見** 21日 木星が衝 21日 天王星が衝 23日 秋分の日
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係についての説明
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星 今月の彗星は最初の三日だけ、明け方の空で見る事が出来ますが、その後は太陽に近づき、見つけるのは難しいでしょう。
金星 今月29日に内合となる金星は観望出来ません。
火星 今月の火星は太陽に近いので観望出来ません。
木星 先月9日に天王星と共に衝となった木星は一晩中観望可能です。光度も-2.8等を保ちます。望遠鏡で木星を見ると、太い帯が一本の状態で、大赤斑の有る帯が消えています。再び消滅した帯が現れるのかを観察するのも面白いでしょう。
土星 今月の土星は太陽に近いので観望出来ません。
天王星 木星と一緒に先月9日に衝となった天王星は一晩中観望可能です。木星の直ぐ側に居るので、慣れた人ならば見つける事が出来るでしょう。
海王星 8月に衝となった海王星は夜半前ならばまだまだ観望出来ます。空が完全に暗くなれば、望遠鏡ならば南の空で見つける事が出来ます。
冥王星 6月25日に衝となった冥王星は夜半前ならば未だ観望出来ます。暗い星なので、望遠鏡が必要です。
ジャコビニ流星群/りゅう座γ(Giacobinids - Draconids)
出現期間 10月6日-10日 極大 10月9日0時45分 出現規模 5個/時間
1985年に400個/時間の流星を降らせた流星群です。この流星群の母彗星はその名のとおりジャコビニ彗星です。今月の6日から10日にかけて、この彗星の残したダスト流の近くを通るので、運がよければ1時間に5個程の流星が見えるでしょう。ピークは9日の0時45分です。今年は丁度新月にあたり、条件は最良です。輻射点はりゅう座の頭に有ります。空が完全に暗くなってから観望する場合はこの輻射点は周極で夜明け前頃には北の空に低く下がりますが、地平線下に沈む事はありません。
今年は大出現は予測されていません。
オリオン座流星群(Orionids)
出現期間 10月上旬-11月上旬 極大 10月21日0-5時頃 出現規模 20-30個/時間
10月上旬から11月上旬まで平均10個/時間ほどの流星を降らせます。極大時は21日夜中から朝の5時頃迄。毎年多少の違いは有りますが、それでも1時間に20個から30個程の流星が見えるでしょう。輻射点は21日22時頃で東の空に低いところに有ります。今年の極大は満月に近い月が有るので、条件は良くありません。この流星群の母彗星はあの有名なハレー彗星です。
牡牛座流星群南(Southern Taurids)
出現期間 9月25日-11月25日 極大 11月5日 出現規模 5個/時間
牡牛座流星群北(Nothern Taurids)
出現期間 9月25日-11月25日 極大 11月12日 出現規模 5個/時間
非常にマイナーが流星群ですが、南北両方で一時間に15個程の流星が見られる事も有ります。