今月のハイライトは恒例のしし座流星群です。極大時は新月にあたり、明るい月の為に条件はよくありませんが、観望して下さい。
1985年に発見されたハートレー彗星が10月下旬に地球に接近しました。光度も下がりましたが、望遠鏡では観望可能です。双眼鏡ではよほど条件がよくなければ難しいかもしれません。
今月の星空は秋の星座で一杯です。天の川はちょうど西から東へを天を横切ります。アンドロメダ座と秋の四辺形(ペガスス座)が天頂に、白鳥座、わし座、こと座などの夏の大三角を形作る星座が西の空に、東からはプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団を抱えるおうし座、ふたご座、オリオン座、おおいぬ座等のにぎやかな冬の星座が昇ってきます。大きな5角形のぎょしゃ座も目に付きます。北斗七星は北の空低くひしゃくを上にして横たわりカシオペア座は天頂近くまで高度を昇ります。南には目立たない星座が多い中、秋の星で唯一の一等星フォーマルハウトが地平線低く輝いています。
双眼鏡で観望出来る天体はアンドロメダ大星雲(M31)とオリオン座大星雲(M42)。しかしアンドロメダ大銀河は天頂にあるので、ちょっと見づらいかもしれません。プレアデス星団(M45)、ヒアデス星団もお忘れなく。
今月は木星はまだまだ一晩中観望出来るほか、金星が再び明けの明星として、土星と共に東の空にその姿を現します。水星と火星は太陽に近い為観望出来ません。
今年の初めから太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら。
11月の天気
11月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
5日7時 金星が月に接近(東、高度10度、間隔0.8度)**必見** 16日17時 木星が月に接近(東、高度20度、間隔7.2度) 17日 しし座流星群極大**必見**
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係についての説明
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星 今月の彗星は太陽に近く観望出来ません。
金星 先月29日に内合となった金星は中旬以降になると早朝東の空で少しつづ高度をあげて来ます。
火星 今月の火星は太陽に近いので観望出来ません。
木星 9月9日に天王星と共に衝となった木星の没は早まりますが、まだまだ一晩中観望可能です。光度も-2.6等を保ちます。望遠鏡で木星を見ると、太い帯が一本の状態で、大赤斑の有る帯が消えています。再び消滅した帯が現れるのかを観察するのも面白いでしょう。
土星 今月の土星は出が早まるので、早朝東の空で観望出来るようになります。
天王星 木星と一緒に9月9日に衝となった天王星は一晩中観望可能です。木星の直ぐ側に居るので、慣れた人ならば見つける事が出来るでしょう。
海王星 今月の海王星は日没後ならばまだまだ観望出来ます。空が完全に暗くなれば、望遠鏡ならば南の空で見つける事が出来ます。
冥王星 今月の冥王星は没が早くなり観望は難しくなります。暗い星なので、望遠鏡が必要です。
オリオン座流星群(Orionids)
出現期間 10月上旬-11月上旬 極大 10月21日0-5時頃 出現規模 20-30個/時間
10月上旬から11月上旬まで平均10個/時間ほどの流星を降らせます。極大時は21日夜中から朝の5時頃迄。毎年多少の違いは有りますが、それでも1時間に20個から30個程の流星が見えるでしょう。輻射点は21日22時頃で東の空に低いところに有ります。今年の極大は満月に近い月が有るので、条件は良くありません。この流星群の母彗星はあの有名なハレー彗星です。
牡牛座流星群南(Southern Taurids)
出現期間 9月25日-11月25日 極大 11月5日 出現規模 5個/時間
牡牛座流星群北(Nothern Taurids)
出現期間 9月25日-11月25日 極大 11月12日 出現規模 5個/時間
非常にマイナーが流星群ですが、南北両方で一時間に15個程の流星が見られる事も有ります。
しし座流星群(Leonids)
出現期間 11月10日-11月23日 極大 11月17日 出現規模 20個/時間
今年のしし座流星群は11月10日から23日頃まで活発な活動を見せてくれます。
流星予報によると極大時は17日16時頃、一時間に約20個ほどの流星が観望出来るでしょう。
活動時期は満月前の大きな月が有り、条件は良くありません。特に目立った活動は予想されていませんが、突発的なピークを見せてくれる可能性も有りますので、是非観望して下さい。
しし座流星群の母彗星はテンペル・タットル彗星。この彗星が残していったダストトレイルに地球が突っ込んで行く時に、その塵が大気と摩擦を起こして流星が発生します。