2010年12月 今月の星空

通常、霧が停滞したり数週間厚い雲が空を覆う等今ひとつぱっとしない天気が続くのもこの季節です。今年も天気だけは例外に漏れず、どんよりとした天気が続いています。

今月はのハイライトは21日の皆既月食と、今年も期待出来るのはふたご座流星群です。
皆既月食は早朝で、皆既食を最後迄観望する事は残念ながら出来ません。

今月の日没後の星空はまだまだ秋の星座で一杯です。日没が午後4時頃なので、空が暗くなった西の空には未だ夏の星座も見えています。薄明が完全に終了する頃には賑やかな冬の星座が東の空に昇ってきます。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、天界で最も明るい恒星おおいぬ座のシリウスで構成させる冬の大三角が目立ちます。おおぐま座に有る北斗七星はひしゃくを北東の空に持ち上げ、北極星を挟んだその反対側にはカシオペア座が有ります。

今月の惑星は、土星、金星が夜明け前東の空で輝き、水星も見易くなります。火星は次第に太陽を離れるので、夕方の空で条件が良ければ観望出来ます。木星もまだ一晩中観望可能です。

その他に双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。

今年の初めから太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら

12月の天気

12月15日0時頃の空

南の空 北の空

拡大するには画像をクリック。

トピック

4日7時 金星が最大光度(−4.9度)**必見**
13日23時 木星が月に接近(日、高度15度、間隔7.2度)
21日 皆既月食**必見**
22日 冬至
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)

惑星の位置関係についての説明

写真集「惑星ランデブー」

太陽

日出、日没

月出、月没

惑星

今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星
今月の水星は次第に太陽から離れ、月末になると日の出直前の東の空で観望出来ます。
金星
4日に最大光度(-4.9度)に達する金星は明け方の空で最も明るい星です。視直径40.1秒角、日照面27%。月末に掛けて視直径は小さくなりますが、日照面は45%迄大きくなります。
火星
火星は次第に太陽に近づいていき、観望は難しいでしょう。
木星
木星の没は早まりますが、まだまだ一晩中観望可能です。光度も-2.5等を保ちます。望遠鏡で木星を見ると、太い帯が一本の状態で、大赤斑の有る帯が消えています。再び消滅した帯が現れるのかを観察するのも面白いでしょう。
土星
今月の土星は出が早まるので、早朝東の空で観望出来るようになります。
天王星
木星と一緒に9月9日に衝となった天王星は一晩中観望可能です。木星の直ぐ側に居るので、慣れた人ならば見つける事が出来るでしょう。
海王星
今月の海王星は日没後ならばまだまだ観望出来ます。空が完全に暗くなれば、望遠鏡ならば南の空で見つける事が出来ます。
冥王星
今月の冥王星は出が早くなり夜明け前の東の空で観望出来ますが、暗い星なので、望遠鏡が必要です。

流星群

ふたご座流星群 Geminids (GEM)
近年かなり活発な活動を見せているこの流星群はその数だけでなく、かなり明るい火球を飛ばす事で有名です。活動は7-17日。極大は14日の6時頃、約120個/時間の活動が予想されています。輻射点のあるふたご座(カストル)は夕方18時頃北東の空に昇ります。今年は半月が天頂に有りますが、観望の価値は有ります。

出現期間 12月7日〜17日
極大 12月14日12時
出現規模 120個/時間


こぐま座流星群 Ursids (URS)
タットル彗星を母天体に持つこの流星群は派手ではありませんが、突発性のある大変気まぐれな流星群です。活動は17-26日。極大は22日の13時。半月に掛かりますが、夜半前には沈んでしまうので条件はそれほど悪く有りません。一時間に10個位の出現が予想されます。

出現期間 12月17日〜26日
極大 12月22日20時
出現規模 10個/時間