12月は再び大変寒い月になり、欧州各地で豪雪に見舞われました。普段温暖な北西ドイツでも日中氷点下という日も有りました。霧の停滞する季節でもあり、数週間厚い雲が空を覆う等、太陽が顔を出すことの無く、今ひとつぱっとしない天気が続くのもこの季節です。
今月のハイライトは4日の部分日食です。欧州からは全行程観望出来ます。時間帯も悪く有りませんので、是非観望して下さい。
今月の星空は冬の星空で一杯です。冬至が過ぎても日没は未だ早く、薄明の中には未だ夏の星座が西の空に輝きます。夜の23時をまわるとオリオン座を代表する冬の星座が南の空高く昇ります。その南東には青白く輝くおおぐま座のシリウスが目を引きます。更にその東にはこいぬ座のプロキオンが見えています。オリオン座のベテルギウス、プロキオン、シリウスで構成させる冬の大三角が大変目立ちます。ふたご座が南西の空高く昇り、天頂近くにはおひつじ座とぎょしゃ座が見えています。北の空には北極星を挟んで東に北斗七星の有るおおぐま座、西にはカシオペア座が輝きます。東の空には春の星座を代表するしし座やかに座が上ってきています。
今月の惑星は、土星、金星が夜明け前東の空で輝き、水星も見易くなります。火星は又太陽に追いつかれるので観望は出来ません。木星もまだ観望可能です。
その他に双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団、アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。
一年ほど前から太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら。
1月の天気
1月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
2日18時 木星と天王星が接近(南、高度40度、間隔0.5度)**必見** 3日20時 地球が近日点を通過(太陽から1億4710万km) 4日 部分日食**必見** 8日 金星が西方最大離隔 9日 水星が西方最大離隔 30日6時 金星が月に接近(南東、高度10度、間隔4.4度)**必見**
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係についての説明
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星 今月の水星は上旬ならば東の空で観望可能ですが、その後は再び太陽に近づくので観望は難しいでしょう。
金星 8日に西方最大離隔となる金星の視直径は25秒角迄小さくなり、望遠鏡で見ると半月のようです。出は更に遅くなりますが、まだまだ明けの明星として輝きます。
火星 2月に合となる火星は太陽の後ろに回ってしまうので、観望出来ません。
木星 木星の没は早まりますが、まだまだ夜半前ならば観望可能です。光度も-2.2等を保ちます。望遠鏡で木星を見ると、太い帯が一本の状態で、大赤斑の有る帯が消滅していましたが、又現れてきています。消滅した帯が徐々に現れるのを観察するのも面白いでしょう。
土星 今月の土星は出が早まるので、夜中過ぎ東の空で観望出来ます。
天王星 木星と一緒に9月9日に衝となった天王星は夜半前に観望可能です。2日には再び木星に大接近するので、双眼鏡で観望して下さい。木星の月の直径程の間隔に水色の天王星が輝いているのが見えます。
海王星 今月の海王星は日没後ならば観望可能ですが、暗い天体なので、難しいでしょう。
冥王星 今月の冥王星は出が早くなり夜明け前の東の空で観望出来ますが、暗い星なので、望遠鏡が必要です。
しぶんぎ座(りゅう座)流星群 Quadrantids(QUA)
4大流星群の一つです。近年極大期以外には大きな活動を見せていませんが、それでも一時間に100個程の流星が出現することも有ります。極大は3日夜から4日早朝、丁度新月で月が無いので条件は最良です。
輻射点はりゅう座とうしかい座の間位で北の空から東の空へと回って行きます。
出現期間 12月28日〜1月12日 極大 1月4日2時 出現規模 120個/時間