3月21日は春分。夜と昼の長さが同じになります。
28日には夏時間が始まり、時計は夜中の2時に1時間進み、日本との時差は7時間になります。
今月は大きなハイライトは有りませんが、12日に小惑星ジュノーが衝となります。光度は8.9等。透明度の高い空ならばかろうじて双眼鏡で確認できます。
19日には月が今年最も地球に近づきます。視直径も33.33秒角と最遠時よりも5秒角も大きくなります。10月12日の最遠時と同条件で写真を撮って比較するもの大変面白いです。
星空の方は、3月になるとコップ座、おとめ座、からす座などのおとなしい春の星座が東の空に昇ります。
北の空ではカシオペア座が高度を下げ、北斗七星が空高く昇ります。<BR>
東の空に輝くアルクトゥルスです。牛かい座の一等星でオレンジ色をしているのですぐ目に付きます。
西の空にはふたご座が直立しています。
南の空には南東空高く流星群で有名なしし座と長々と横たわるうみへび座。南東の空の低いところににぎやかな冬の星座オリオン座、こいぬ座、おうし座などが未だ見えています。
双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団、アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。
牛かい座としし座の間には大変目立たないかみのけ座が有ります。ここにはかみのけ座銀河団が有ります。大変暗い場所ならばぼーっとした二等辺三角状に銀河が集まっているのが肉眼でも分かります。大型の望遠鏡ならば何とか一つ一つが星で無く、銀河である事が分かります。
今月の惑星はどこでしょう。来月衝となる土星が一晩中観望出来るようになりました。金星は高度こそ低くなりましたが未だ明けの明星として輝きます。木星も日没後僅かな時間ならば観測出来ます。水星も夕方の空で高度を上げていきます。火星は太陽の近くに有り、観望出来ません。
一年ほど前から太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に昨年8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら。
3月の天気
3月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
1日7時 金星が月に接近(南東、高度10度、間隔1.5度)**必見** 12日 小惑星ジュノーが衝(8.9等、南) 15日19時 水星と木星が接近(西、高度10度、間隔2度)**必見** 19日20時 月が地球に最も近づく(357000km、33.33秒角) 21日 春分 21日 天王星が合 27日 冬時間終了 一時間進む 31日6時30分 金星が月に接近(東、高度10度、間隔4.8度)**必見**
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係についての説明
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星 先月25日に内合となった水星は今月夕方の空に見え出します。月末には太陽からかなり離れるので見つけやすいでしょう。
金星 今月の金星は太陽の出が早まると共に、次第に目立たなくなります。それでも夜明け前の空ではもっとも明るい星です。光度-4等、視直径15秒角、日照面は75%と丸く太っています。
火星 先月合となった火星は未だ太陽に近いので観望出来ません。
木星 4月上旬に合となる木星は、次第に太陽に近づき、日没直後の空でわずかな時間だけ観望出来ます。光度も-2.1等を保ちます。昨年大赤斑の有る帯が消滅していましたが、又現れてきています。消滅した帯が徐々に現れるのを観察するのも面白いでしょう。
土星 来月衝となる土星はますます出が早まり、一晩中観望が可能になります。
天王星 今月合となる天王星の観望は難しいでしょう。
海王星 先月17日に合となった海王星は、未だ太陽に近いので、観望出来ません。
冥王星 今月の冥王星は出が早くなり夜明け前の東の空で観望出来ますが、暗い星なので、望遠鏡が必要です。
おとめ座流星群 Virginids(VIR)
国際流星機構のリストから外れてしまった地味な流星群です。
出現量も一時間一個程度なので、活動と言われるにはレベルが低いからでしょう。
出現期間 1月25日〜4月15日 極大 3月25日 出現規模 1個/時間