今月のハイライトは15日の皆既月食です。
月の出直後に皆既食が始まる月出帯食で、時間帯も悪く有りませんので、是非観望して下さい。詳細はこちら。
ドイツの6月には天文薄明は有りません。
南部でかろうじて夜中に1時間半程真っ暗になりますが、北緯49度辺りから北部は北の空がぼんやりと明るく、暗くなりません。
星を楽しむ人達には余り好都合とは言えない季節です。
又この時期は夜光雲の季節でも有ります。夜光雲はオーロラの様にアレート情報が有りませんので、毎日注意して夜空を観望するか、独流星研究会大気光学部門のBBSをこまめにチェックして下さい。このBBSは情報の速さではぴか一です。
6月の夜空がすっかりおとなしい春の星座に入れ替わりました。牛かい座が南の空高く昇り、北斗七星が北の空高く、カシオペア座が地平線すれすれに見えています。西の空には春の星座を代表するしし座が傾き、その近くには土星が輝いています。南西にはおとめ座が見えています。夜半になると夏の星座が昇ってきます。さそり座、いて座、白鳥座、こと座、わし座などの明るい星座が夜空が飾ります。中央ヨーロッパから見るとさそり座も地平線を這う様に動きます。さそり座といて座の間には天の川銀河の中心部有り、その周りには沢山の星雲星団が有ります。アンドロメダ座のアンドロメダ大銀河(M31)、ペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)と散開星団(M34)も夜明け前に東の空に昇り、ゆっくり観望出来る時期になりました。これらの星雲星団は双眼鏡が有れば十分です。かみのけ座銀河団も見ごろですので、お忘れなく。
今月の惑星は何所でしょうか?
火星と木星がようやく夜明け前の空で何とか見つけられる様になりました。水星と金星は未だ太陽に近いので観望は出来ません。土星もまだまだ夜半過ぎの空で観望出来ます。
6月の天気
6月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
1日 部分日食(欧州からは観望不可) 13日 水星が内合 15日 皆既月食 **必見** 21日 夏至 26日3時 木星が月に接近(東、高度10度、間隔5.4度)**必見** 28日 冥王星が衝 30日4時30分 金星が月に接近(北東、高度5度、間隔1.8度**必見**
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係と暦
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星 13日に合となる水星は観望出来ません。
金星 次第に太陽の向こう側へ回っていく金星は観望出来ません。
昼間望遠鏡で見ると、日照面が98%で小さく丸々と太っています。
火星 火星は次第に太陽から離れ、下旬頃になれた観測者ならば、夜明け前の東の空にその姿を見つけることが出来ます。
しかし、日の出が早いので、実際にその姿を見るのは難しいでしょう。
木星 4月上旬に合となった木星は次第に出が早くなり、夜明け前の空に-2.2等の明るい星として輝きます。
土星 没が次第に早くなる土星は夜半前の西の空で観望出来ます。
おとめ座の一等星スピカが近いので、見つけ易いでしょう。
天王星 天王星は出は次第に早くなり、夜半前の空で観望出来ます。大変暗い惑星なので、観望には望遠鏡が必要です。
海王星 海王星の出は更に早くなり、夜半前の空で観望出来ます。大変くらい星なので、観望には望遠鏡が必要です。
冥王星 28日に衝となる冥王星は一晩中観望可能です。暗い星なので、望遠鏡が必要です。
今月は特に目立った流星群は有りません。