今月1日には南半球で部分日食が有ります。
南半球と言っても大陸からは観望出来ないアフリカと南極大陸の海上で起こる日食なので、実際に見れる場所は有りません。
当然北半球からは見えません。
夏至は過ぎても、夜光雲の季節は未だ終わっていません。今年も太陽活動が活発になった為に、対流圏上層部の大気がイオン化されず、それの伴い氷の雲が出来づらくなり、夜光雲は殆ど発生していません。それでも北緯54度近辺では既に確認されていますので、まだまだチャンスは有ります。薄明が終わる頃北の空が青白い波を打つような薄い雲が見えたら、それが夜光雲です。美しい光景を見るのは大変喜ばしいのですが、この現象が頻繁に現れるのが良い傾向でないと言うのは悲しい事実です。
夜光雲はオーロラの様にアレート情報が有りませんので、毎日注意して夜空を観望するか、独流星研究会大気光学部門のBBSをこまめにチェックして下さい。
夜空も夏の星座に入れ替わりました。東の空には白鳥座のデネブ、こと座のベガ、ワシ座のアルタイルで構成される夏の大三角が見えています。うしかい座とおとめ座が西に傾きました。南の低いところにはさそり座の頭が見えています。天頂にはヘラクレス座の大きな四角が、その南にはへびつかい座が大きく広がっています。北の空高くにりゅう座が横たわり、おおぐま座は西に傾き、北極星をはさんだ北東の空にカシオペア座が高度をあげてきました。北の空低い所にはぎょしゃ座のカペラが見えています。カペラは高緯度のドイツでは一年中地平線下に沈まない周極星になっています。
とにかくドイツの夏の夜は短いのが玉に瑕ですが、それでも双眼鏡で観望出来る星雲、星団が沢山有ります。夏の銀河はもっと賑やかになります。是非、双眼鏡での夜空の散歩をしてください。
いて座とさそり座付近の星雲星団群(M4、6、7、8、20、22)、アンドロメダ座のアンドロメダ大銀河(M31)、ペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)と散開星団(M34)、ヘルクレス座の散開星団(M13)、へび座の散開星団(M5)と見ものは一杯。
正直言って、望遠鏡より双眼鏡での観望の方がよっぽど楽しいですね。倍率は7倍も有れば十分です。
今月の金星と水星はまだ太陽に近い為、観望出来ません。
土星は没が早くなりますが、未だ観望可能です。木星と火星は次第に太陽から離れ、夜明けの空にその姿を現します。
7月の天気
7月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
4日16時 地球が遠日点を通過(1億5210万km) 7日 小惑星ベスタがやぎ座で衝(5.6等) 20日 水星が東方最大離隔 24日2時 木星が月に接近(東、高度20度、間隔4.2度)**必見** 28日3時 火星が月に接近(東、高度10度、間隔5.6度)**必見**
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係と暦
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星 今月の水星は太陽から離れても、日もまだまだ長くなかなか暗くならないので、見つけるのは大変難しいでしょう。
金星 8月に外合となる丸々と太った金星は、かなり条件がよければ日の出直前に東の空で見ることが出来ます。
火星 火星は次第に太陽から離れ、夜明け前の東の空にその姿を見つけることが出来ます。
木星 木星は次第に出が早くなり、夜明け前の空に-2.4等の明るい星として輝きます。
土星 今月の土星は没は早くなりますが、まだまだ夜半前の西の空で観望出来ます。
天王星 天王星は出は次第に早くなり、ようやく暗くなった空で観望出来ます。大変暗い惑星なので、観望には望遠鏡が必要です。
海王星 海王星の出は更に早くなり、ようやく暗くなった空で観望出来ます。大変くらい星なので、観望には望遠鏡が必要です。
冥王星 先月28日に衝となった冥王星は一晩中観望可能です。暗い星なので、望遠鏡が必要です。
みずがめ座δ流星群 δ-Aquiriids (SDA)
夏の夜の大変地味な流星群の一つです。山羊座δ群とほぼ同時に極大を迎えます。
輻射点は夜中に南の空低いところにあります。新月に当たり、観望条件は最良です。
出現期間 7月12日〜8月23日 極大 7月30日 出現規模 16個/時間
山羊座δ流星群 δ-Capricornids (CAP)
夏の夜の大変地味な流星群の一つです。みずがめ座δ群とほぼ同時に極大を迎えます。
輻射点は夜中に南の空低いところにあります。新月に当たり、観望条件は最良です。
出現期間 7月3日〜8月15日 極大 7月30日 出現規模 個/時間