2011年12月 今月の星空

通常、霧が停滞したり数週間厚い雲が空を覆う等今ひとつぱっとしない天気が続くのもこの季節です。今年も天気だけは例外に漏れず、どんよりとした天気が続いています。

今月は10日に皆既月食と、今年も期待出来るのはふたご座流星群です。
皆既月食は皆既終了後に月が出るので、最初から観望する事は残念ながら出来ません。

今月の日没後の星空はまだまだ秋の星座で一杯です。日没が午後4時頃なので、空が暗くなった西の空には未だ夏の星座も見えています。薄明が完全に終了する頃には賑やかな冬の星座が東の空に昇ってきます。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、天界で最も明るい恒星おおいぬ座のシリウスで構成させる冬の大三角が目立ちます。おおぐま座に有る北斗七星はひしゃくを北東の空に持ち上げ、北極星を挟んだその反対側にはカシオペア座が有ります。

今月は木星はまだまだ一晩中観望出来るほか、火星と土星が夜明け前の東の空にその姿を現します。水星も月末になると夜明け前に東の空で観望できます。金星も夕方の空で、南西の地平線近くで輝いているのが見えます。

その他に双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。

太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。既にドイツの最北端では既にオーロラが観測されています。北欧でも日が短くなったのでライブカメラで観望することが出来ます。真っ赤な低緯度オーロラも見ものですので、磁気嵐の時はデータを見ながら北の空に注意を向けましょう。データのリンクはこちら

12月の天気

12月15日0時頃の空

南の空 北の空

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トピック

6日18時 木星が月に接近(東、高度40度、間隔5.2度)
10日 皆既月食**必見**
22日 冬至
23日7時 水星が月に接近(南西、高度5度、間隔3.9度)
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)

惑星の位置関係と暦

写真集「惑星ランデブー」

太陽

日出、日没

月出、月没

惑星

今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星
23日に西方最大離隔となる水星は、月末頃になると東の空でよく観望出来る様になります。
金星
今月の金星は南西の空で高度を上げます。光度も-4等と大変明るくなります。
火星
出が次第に早くなる火星は、夜半後の東の空にその姿を見つけることが出来ます。光度も0.2等迄明るくなります。
木星
10月に衝となった木星は一晩中観望出来ます。光度は-2.6等に落ちますが、見掛けの明るさは先月と全く変わりません。
土星
土星は次第に太陽から離れ、出が早くなり、夜明け前の空で観望出来るようになります。
天王星
没の早くなった天王星は夜半前ならば南西の空で観望出来ます。大変暗い惑星なので、観望には望遠鏡が必要です。
海王星
海王星の没は更に早くなり、夜半前ならば西の空で観望出来ます。大変くらい星なので、観望には望遠鏡が必要です。
冥王星
29日に合となる冥王星は太陽の後ろに回り観望出来ません。

流星群

ふたご座流星群 Geminids (GEM)
近年かなり活発な活動を見せているこの流星群はその数だけでなく、かなり明るい火球を飛ばす事で有名です。活動は7-17日。極大は14日の6時頃、約120個/時間の活動が予想されています。輻射点のあるふたご座(カストル)は夕方18時頃北東の空に昇ります。今年は大きな満月が有りますが、観望の価値は有ります。

出現期間 12月7日〜17日
極大 12月14日3−24時
出現規模 120個/時間


こぐま座流星群 Ursids (URS)
タットル彗星を母天体に持つこの流星群は派手ではありませんが、突発性のある大変気まぐれな流星群です。活動は17-26日。極大は22日の13時。半月に掛かりますが、夜半前には沈んでしまうので条件はそれほど悪く有りません。一時間に10個位の出現が予想されます。

出現期間 12月17日〜26日
極大 12月23日4時
出現規模 10個/時間