今月のハイライトは6日の金星日面通過です。
日本からは全行程観望出来ますが、欧州からは後半のみ観望出来ます。日の出直後は特殊メガネ無しでも太陽の表面を金星が通過していくのが観望出来ます。
ドイツの6月には天文薄明は有りません。
南部でかろうじて夜中に1時間半程真っ暗になりますが、北緯49度辺りから北部は北の空がぼんやりと明るく、暗くなりません。
星を楽しむ人達には余り好都合とは言えない季節です。
又この時期は夜光雲の季節でも有ります。夜光雲はオーロラの様にアレート情報が有りませんので、毎日注意して夜空を観望するか、独流星研究会大気光学部門のBBSをこまめにチェックして下さい。このBBSは情報の速さではぴか一です。
6月の夜空がすっかりおとなしい春の星座に入れ替わりました。牛かい座が南の空高く昇り、北斗七星が北の空高く、カシオペア座が地平線すれすれに見えています。西の空には春の星座を代表するしし座が傾き、その近くには土星が輝いています。南西にはおとめ座が見えています。夜半になると夏の星座が昇ってきます。さそり座、いて座、白鳥座、こと座、わし座などの明るい星座が夜空が飾ります。中央ヨーロッパから見るとさそり座も地平線を這う様に動きます。さそり座といて座の間には天の川銀河の中心部有り、その周りには沢山の星雲星団が有ります。アンドロメダ座のアンドロメダ大銀河(M31)、ペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)と散開星団(M34)も夜明け前に東の空に昇り、ゆっくり観望出来る時期になりました。これらの星雲星団は双眼鏡が有れば十分です。かみのけ座銀河団も見ごろですので、お忘れなく。
今月の惑星は何所でしょうか?
木星は太陽から離れ夜明け前の空で観望出来ます。金星は下旬頃からやはり夜明け前の東の空で木星と並んでいるのが見えます。火星と土星は日没後の空で観望出来ます。
6月の天気
6月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
4日 部分月食(欧州からは観望不可) 6日 金星日面通過**必見** 17日5時 木星が月に接近(東、高度5度、間隔2.1度)**必見** 18日5時 金星が月に接近(東、高度5度、間隔2.5度)**必見** 21日 夏至 29日 冥王星が衝
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係と暦
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星 先月27日に外合となった水星は次第に太陽から離れ、11日頃から日没後の西の空で観望出来ます。
金星 今月6日に内合となる金星は、月末頃に夜明け前の空で観望出来ます。内合の6日には金星の日面通過が欧州からも見れます。
火星 没が早くなった火星は、未だ日没後の空で観望できます。光度は0.9等迄落ちます。
木星 先月13日に合となった木星は中旬頃から夜明け前の東の空で観望出来るようになります。
土星 4月15日に衝となった土星はまだまだ一晩中観望できます。おとめ座のスピカの近くなので、見つけやすいでしょう。
天王星 今月の天王星は次第に太陽から離れ、夜明け前の空で観望出来ます。5.9等と大変暗いので見つけるのは望遠鏡が必要です。
海王星 今月の海王星は次第に太陽から離れ、夜明け前の空で観望出来ます。7.9等と大変暗いので見つけるのは望遠鏡が必要です。
冥王星 今月29日に衝となる冥王星の一晩中観望出来ます。光度は14等です。
今月は特に目立った流星群は有りません。