2012年10月 今月の星空

10月30日から冬時間へと切り替わります。
寒い季節が始まりますが、夜が長くなると共に観測できる時間も格段に増えるわけです。

宵の空には西に傾いた夏の三角形を構成すること座(ベガ)、白鳥座(デネブ)、わし座(アルタイル)等の夏の星座が空を占領していますが、すっかり暗くなる頃には秋の四辺形(ペガスス座)、カシオペア座も天頂付近迄昇ります。アンドロメダ大星雲(M31)も見ごろです。北斗七星はひしゃくを上に向けて北の空低く寝そべっています。高緯度で見る大熊座は一年中地平線の下に沈みません。低い南の空には秋の星座で唯一の一等星(フォーマルハウト)を持つみなみのうお座が見えます。東にはペルセウス座が高く上り、低い空にはぎょしゃ座のカペラが目立つようになります。このカペラも一年中地平線下に沈みません。夜半過ぎにはプレアデス星団、ヒアデス星団を抱えるおうし座に続いて双子座やオリオン座等の賑やかな冬の星座が昇ってきます。これらの星団は双眼鏡で十分観望出来ます。

今月の惑星は、今月衝となる木星は一晩中観望出来ます。金星は宵の明星として輝きますが、徐々に高度を落としていきます。火星と土星も太陽に近いので、観望は難しいでしょう。

太陽の活動が目立って来ました。オーロラの季節は既に始まっています。北欧の様に頻繁に見られるわけでは有りませんが、次の低緯度オーロラ発生までライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら


10月の天気

10月15日0時頃の空

南の空 北の空

拡大するには画像をクリック。

トピック

3日5時 金星がしし座のレグルスに接近(東、高度15度、間隔0.12度)**必見**
5日22時 木星が月に接近(北東、高度5度、間隔1.6度)**必見**
8日 10月ジャコビニ流星群(りゅう座流星群)が極大**必見**
18日18時 火星が月に接近(南西、高度15度、間隔2.1度)**必見**
26日 水星が東方最大離隔
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)

惑星の位置関係と暦

写真集「惑星ランデブー」

太陽

日出、日没

月出、月没

惑星

今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星
今月の水星は地平線の大変近い所に有り、観望は大変難しいでしょう。
金星
今月の金星も明けの明星として輝きます。光度は-4.0等に落ちますが、まだまだ夜明け前の空で最も明るい星です。
3日の早朝はしし座の一等星レグルスの0.12度の所を通過するのが見えます。
火星
今月の火星の没は更に早まり、夕方の南西の空でかろうじて観望出来ます。光度は1.2等を保ちます。
木星
出が早くなる木星は一晩中観望出来ます。光度も-2.7等迄明るくなり、夜最も明るい星として輝きます。
土星
25日に合となる土星は観望出来ません。
天王星
29日に衝となる天王星は一晩中観望出来ます。光度は5.7等と暗いので、望遠鏡が必要です。
海王星
8月24日に衝となった海王星は未だ一晩中観望出来ます。光度は7.8等と大変暗いので観望には望遠鏡が必要です。
冥王星
6月29日に衝となった冥王星は没が早くなりますが夜半前ならば観望出来ます。光度は14等です。

流星群

ジャコビニ流星群/りゅう座γ Giacobinids - Draconidsγ (DRA)

出現期間 10月6日-10日
極大 10月8日12時15分
出現規模 35個/時間

1985年に400個/時間の流星を降らせた流星群です。この流星群の母彗星はその名のとおりジャコビニ彗星です。今月の6日から10日にかけて、この彗星の残したダスト流の近くを通るので、運がよければ1時間に5個程の流星が見えるでしょう。今年は夜半過ぎに下弦の月が東の空に昇ってくるので、条件はよく有りません。輻射点はりゅう座の頭に有ります。空が完全に暗くなってから観望する場合はこの輻射点は周極で夜明け前頃には北の空に低く下がりますが、地平線下に沈む事はありません。
今年は大出現は予測されていません。

オリオン座流星群 Orionids (ORI)

出現期間 10月上旬-11月上旬
極大 10月21日
出現規模 25個/時間

10月上旬から11月上旬まで平均10個/時間ほどの流星を降らせます。極大時は21日。毎年多少の違いは有りますが、2006年から2009年迄比較的活発な活動を見せましたが、今年も同様の流星を降らせる保証はは有りません。輻射点は21日22時頃で東の空に低いところに有ります。今年の極大は上弦の月が有り、条件は良くありません。この流星群の母彗星はあの有名なハレー彗星です。

牡牛座流星群南 Southern Taurids (STR)

出現期間 9月10日-11月20日
極大 11月5日
出現規模 5個/時間

牡牛座流星群北 Nothern Taurids 

出現期間 9月10日-11月20日
極大 11月5日
出現規模 5個/時間

非常にマイナーが流星群ですが、南北両方で一時間に15個程の流星が見られる事も有ります。