春分を過ぎて日が長くなりました。日が長くなるにつれて高緯度のドイツでは観望可能な時間が少なくなります。
次第に暖かくなると、花粉が飛び始めます。ドイツでは白樺、松、ヘーゼルナッツの樹木等が大量の花粉を放出します。花粉症の原因にもなっていますが、その花粉独特の花粉光冠が太陽や満月の回りに見られる事も有ります。暈の様に大きな輪を造らず、大変小さな冠ですので、何かで太陽を隠して見て下さい。写真に撮ると、肉眼で見るより分かり易いです。
今月25日には部分月食が起こります。本影の隅をかすめていく程度で、満月の隅が陰っているのが見える程度ですが、ぜひ観望して下さい。
夜半を過ぎる頃からおとなしい春の星座に入れ替わります。冬の星座を代表するオリオン座は西に傾き、北東にはぎょしゃ座の一等星カペラが輝きます。北斗七星が北の空高く昇り、カシオペア座が北の地平線近く迄下りてきました。南の空高く春の星座の象徴しし座が昇る頃、南東の空にはおとめ座が、更に東にはうしかい座とヘラクレス座が見えています。
双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団、アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。
牛かい座としし座の間には大変目立たないかみのけ座が有ります。ここにはかみのけ座銀河団が有ります。大変暗い場所ならばぼーっとした二等辺三角状に銀河が集まっているのが肉眼でも分かります。大型の望遠鏡ならば何とか一つ一つが星で無く、銀河である事が分かる程度です。
今月は木星も西の空に傾き、土星がほぼ一晩中観望出来る他は、ほとんど太陽の側に居て観望出来ません。
太陽の活動が目立って来ました。昼間が短いので北欧やアラスカのライブカメラでオーロラが観望出来ます。真っ赤な低緯度オーロラも見ものですので、磁気嵐の時はデータを見ながら北の空に注意を向けましょう。データのリンクはこちら。
4月の天気
4月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
14日20時 木星が月に接近(西、高度30度、間隔2.1度)**必見** 18日 火星が合 25日 部分月食**必見** 26日1時 土星が月に接近(東、高度25度、間隔3.5度)**必見** 28日 土星が衝
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係と暦
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星 今月の水星は太陽に近い所を移動するので、観望は出来ません。
金星 先月28日に外合となった金星は太陽に近いので観望出来ません。
火星 今月合となる火星は太陽に近い為観望出来ません。
木星 今月の木星は没は次第に早くなりますが夜半前ならば観望出来ます。光度は-2.0等に落ちますが、夜最も明るい星として輝きます。
土星 今月28日に衝となる土星は一晩中に観望出来ます。
天王星 先月29日に合となった天王星は太陽に近いので観望は出来ません。
海王星 2月21日に合となったばかり海王星は観望出来ません。
冥王星 冥王星は次第に太陽から離れ、出が早くなりますが、暗い惑星なので観望は難しいでしょう。
こと座流星群 Lyrids κ(LYR)
突発的に100個程の流星を降らせたことも有りますが、通常は一時間に5個程の活動をする流星群です。しかし火球クラスの流星や、痕を残すものもあり、注意が必要です。輻射点の有ること座は夜20時頃から北東の空から昇ってきます。上弦の月が有り、極大は昼間なので、条件は良く有りません。
出現期間 4月16日~4月25日 極大 4月22日13時30分 出現規模 5-10個/時間
みずがめ座η流星群 Aquiriids η(ETA)
みずがめ座η流星群が4月下旬から5月にかけて活発になります。輻射点が高くなる南半球ではかなりの出現は見込めますが、北半球での大出現は望めません。空には満月が有り、条件も良くありません。
出現期間 4月19日~5月28日 極大 5月6日 出現規模 55個/時間