夏至は過ぎても、夜光雲の季節はこれからです。更に太陽活動が活発になると、通常対流圏上層部の大気がイオン化されず、それの伴い氷の雲が出来づらくなり、夜光雲も発生しづらいのですが、それでも6月は少なからず発生しています。
薄明が終わる頃北の空が青白い波を打つような薄い雲が見えたら、それが夜光雲です。美しい光景を見るのは大変喜ばしいのですが、この現象が頻繁に現れるのが良い傾向でないと言うのは悲しい事実です。
夜光雲はオーロラの様にアレート情報が有りませんので、毎日注意して夜空を観望するか、独流星研究会大気光学部門のBBSをこまめにチェックして下さい。
夜空も夏の星座に入れ替わりました。東の空には白鳥座のデネブ、こと座のベガ、ワシ座のアルタイルで構成される夏の大三角が見えています。うしかい座とおとめ座が西に傾きました。南の低いところにはさそり座の頭が見えています。天頂にはヘラクレス座の大きな四角が、その南にはへびつかい座が大きく広がっています。北の空高くにりゅう座が横たわり、おおぐま座は西に傾き、北極星をはさんだ北東の空にカシオペア座が高度をあげてきました。北の空低い所にはぎょしゃ座のカペラが見えています。カペラは高緯度のドイツでは一年中地平線下に沈まない周極星になっています。
とにかくドイツの夏の夜は短いのが玉に瑕ですが、それでも双眼鏡で観望出来る星雲、星団が沢山有ります。夏の銀河はもっと賑やかになります。是非、双眼鏡での夜空の散歩をしてください。
いて座とさそり座付近の星雲星団群(M4、6、7、8、20、22)、アンドロメダ座のアンドロメダ大銀河(M31)、ペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)と散開星団(M34)、ヘルクレス座の散開星団(M13)、へび座の散開星団(M5)と見ものは一杯。
正直言って、望遠鏡より双眼鏡での観望の方がよっぽど楽しいですね。倍率は7倍も有れば十分です。
今月の惑星は何所でしょうか?
合を過ぎた木星は東の空に見え出します。金星は更に高度を下げ、目立ちません。土星はかろうじて暗くなった南西の空で観望出来ます。水星も火星も未だ太陽に近く、観望は難しいですが、夜明けの空に姿を現します。
7月の天気
7月15日0時頃の空
南の空 北の空
拡大するには画像をクリック。
2日 冥王星が衝 5日 地球が遠日点を通過(1億5210万km) 9日 水星が内合 16日23時 土星が月に接近(南西、高度15度、間隔4.3度)**必見** 22日4時 木星と火星が接近(北東、高度5度、間隔0.8度)**必見** 30日 水星が西方最大離隔
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)
惑星の位置関係と暦
写真集「惑星ランデブー」
日出、日没
月出、月没
今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
惑星の暦
水星 今月の水星は下旬になると夜明け前の空でかろうじてその姿を見つける事が出来ます。
金星 今月の金星は光度を-3.9等ですが、地平線に近いので明るい空の中では金星も目立ちません。日没後の西の空で何とか見つけられる程です。
火星 今月の火星は次第に太陽から離れ、夜明け前の空に見え出します。未だ高度が低いので、明るい空では目立ちません。
木星 先月19日に合となった木星は、次第に太陽から離れ、夜明け前の東の空で見え出します。
土星 土星の出が早くなり、夜半前ならば観望可能です。
天王星 今月の天王星は出が早くなるので夜明け前の東の空で観望出来ます。暗い惑星なので見つけるのは望遠鏡が必要です。
海王星 海王星は更に出が早くなるので、ほぼ一晩中観望出来ます。暗い惑星なので見つけるのは望遠鏡が必要です。
冥王星 2日い衝となる冥王星は一晩中観望出来ます。暗い惑星なので観望は難しいでしょう。
みずがめ座δ流星群 δ-Aquiriids (SDA)
夏の夜の大変地味な流星群の一つです。山羊座δ群とほぼ同時に極大を迎えます。
輻射点は夜中に南の空低いところにあります。今年は夜半過ぎに半月が昇り、条件は余り良く有りません。
出現期間 7月11日~8月23日 極大 7月30日 出現規模 16個/時間
山羊座δ流星群 δ-Capricornids (CAP)
夏の夜の大変地味な流星群の一つです。みずがめ座δ群とほぼ同時に極大を迎えます。
輻射点は夜中に南の空低いところにあります。今年は夜半過ぎに半月が昇り、条件は余り良く有りません。
出現期間 7月3日~8月15日 極大 7月30日 出現規模 5個/時間