2011年4月 今月の星空

春分を過ぎて日が長くなりました。
次第に暖かくなると、花粉が飛び始めます。ドイツでは白樺、松、ヘーゼルナッツの木等が大量の花粉を放出します。花粉症の原因にもなっていますが、その花粉独特の花粉光冠が太陽や満月の回りに見られる事も有ります。暈の様に大きな輪を造らず、大変小さな冠ですので、何かで太陽を隠して見て下さい。写真に撮ると、肉眼で見るより分かり易いです。

夜半を過ぎる頃からおとなしい春の星座に入れ替わります。冬の星座を代表するオリオン座は西に傾き、北東にはぎょしゃ座の一等星カペラが輝きます。北斗七星が北の空高く昇り、カシオペア座が北の地平線近く迄下りてきました。南の空高く春の星座の象徴しし座が昇る頃、南東の空にはおとめ座が、更に東にはうしかい座とヘラクレス座が見えています。

今月は土星の観望条件が最良です。金星が夜明け前の東の空で何とか確認出来る他は、ほとんどの惑星は太陽に近くに居て、観望は難しいです。

日が長くなるにつれて高緯度のドイツでは観望可能な時間が少なくなります。春の星空は大変おとなしく、しかもトピックも少ないので、もっぱら惑星と星雲星団の観望に専念するのも良いかもしれません。

双眼鏡で観望出来る天体はプレアデス星団(M45)、ヒアデス星団アンドロメダ大星雲(M31)とペルセウス座の2重星団(h-χ、エイチ・カイと読む)、散開星団(M34)とオリオン座大星雲(M42)。オリオン座にはウルトラマンの故郷「M78星雲」も有りますが、これは望遠鏡が無いと見えません。おおぐま座の子連れ星雲(M51)と銀河カップル(M81とM82)は是非一度大型の望遠鏡で観望して下さい。

牛かい座としし座の間には大変目立たないかみのけ座が有ります。ここにはかみのけ座銀河団が有ります。大変暗い場所ならばぼーっとした二等辺三角状に銀河が集まっているのが肉眼でも分かります。大型の望遠鏡ならば何とか一つ一つが星で無く、銀河である事が分かる程度です。

太陽の活動が目立って来ました。Mクラスのフレアも発生しています。オーロラの季節は既に始まっています。ドイツの最北端では既に昨年8月上旬に弱いオーロラが目撃されています。夜が長くなってきた北欧では条件が揃えば見る事が出来ます。アラスカや北欧のライブカメラで観望して下さい。詳細のリンクはこちら
4月の天気

4月15日0時頃の空

南の空 北の空

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トピック

4日 土星が衝
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)

惑星の位置関係についての説明

写真集「惑星ランデブー」

太陽

日出、日没

月出、月没

惑星

今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星
先月末よく見えていた水星は又太陽に近づくので観望出来ません。
金星
今月の金星は太陽の出が早まると共に高度も下がり、次第に目立たなくなります。望遠鏡で見る金星は視直径12秒角、日照面は88%と丸く太っています。
火星
2月に合となった火星は未だ太陽に近いので観望出来ません。
木星
今月上旬に合となる木星は観望出来ません。
土星
4日に衝となる土星は、一晩中観望が可能になります。
おとめ座の一等星スピカの近くなので、見つけ易いでしょう。
天王星
先月合となった天王星の観望は難しいでしょう。
海王星
2月17日に合となった海王星は、未だ太陽に近いので、観望出来ません。
冥王星
今月の冥王星は出が早くなり夜明け前の東の空で観望出来ますが、暗い星なので、望遠鏡が必要です。

流星群

おとめ座流星群 Virginids(VIR)
国際流星機構のリストから外れてしまった地味な流星群です。
出現量も一時間一個程度なので、活動と言われるにはレベルが低いからでしょう。

出現期間 1月25日〜4月15日
極大 3月25日
出現規模 1個/時間

こと座流星群 Lyrids κ(LYR)
突発的に100個程の流星を降らせたことも有りますが、通常は一時間に5個程の活動をする流星群です。しかし火球クラスの流星や、痕を残すものもあり、注意が必要です。輻射点の有ること座は夜20時頃から北東の空から昇ってきます。今年は満月が有るので、観望条件はさほど良くありません。

出現期間 4月16日〜4月25日
極大 4月22日17時50分〜4月23日4時30分
出現規模 5-10個/時間


みずがめ座η流星群 Aquiriids η(ETA)
一時間に50個程の流星を降らすみずがめ座η流星群が4月下旬から5月にかけて活発になります。輻射点のあるみずがめ座は早朝4時頃に南東の空から昇ってきます。

出現期間 4月19日〜5月28日
極大 5月6日15時
出現規模 70個/時間